2018年04月24日
手縫いの練習をする長男
こんにちは。
長男の技に見入ってしまう静岡の畳屋の姉さんです。
今年の夏、長男が一級畳製作技能士の技能検定を受験します。
技能検定は学科試験と実技試験があります。実技試験は制限時間内に「板入れ」の畳一枚を全て手縫いで仕上げるというものです。 最近長男が終業後時々実技試験の練習をするようになりました。
これは畳床の框(縁が付かない辺)の端に板を縫い付けるため、錐で穴を開けているところです。↓
穴の位置は物差しで測って印を付けるということはしません。でもちゃんと均等に穴を開けています。どのように穴の位置を決めているかというと・・・
畳床に均等にある縫い目を穴の位置の目安にしています。板を置く角度を縫い目と直角にすれば縫い目と同じ数の穴になり、穴の数を増やしたければ上の写真のように斜めに置けばいいのです。
なるほどね~。一々測って印を付けるよりも時短になりますね。技能試験は時間が限られていますから。
板の両端は斜めに薄く削ります。(関西式の場合。関東式の会長は「おい、そこ削るのか!折れちゃうじゃないか。」とブツブツ言っていました。)そして巨大な待ち針で固定して畳床に縫い付けます。
社長が見にきました。埼玉県畳高等職業訓練校で学んだ社長は会長と同じく関東式の縫い方なので、京都畳技術専門学院で学んだ長男の関西式の縫い方とは違うそうです。
この板の縫い方ですが、関西式は待ち針の辺りからスタートし、外に向かって縫って端まで縫ったら折り返し、また端まで縫ったら折り返してスタート地点に戻ります。縫い終わると縫い目はこのようにVの字になります。↓
関東式は端からスタートして向こうの端で終わり。縫い目は同一方向に斜めになります。ただし2本の糸で縫うそうです。
私は、畳のサイズだけでなく縫い方まで関東と関西で違うことが面白いな~と思って見ています。どちらの縫い方でも見えない所まできっちりと真摯に作ってある畳ならいいじゃないですか。
一級畳製作技能士を目指している長男君、本日4/24、24歳になりました。

