2021年10月07日

襖の中から昭和5年の新聞が!

こんにちは。


実家の襖に驚いているface08静岡の畳屋の姉さんです。


 私の実家は多分昭和初期に建てられました。20年程前まで五右衛門風呂が、10年程前までかまどが健在でした。(かまどは今でもその気になれば使えると思います。)

 そんな家なので、あちらこちらが痛んでいます。

 襖に関しては、全体的に茶色く変色していて穴が開いている箇所もあるのですが、私が記憶する限り張り替えたことがありません。つまり、少なくとも50年以上は張り替えていないということです。

 3年程前から新海畳店で襖・障子・網戸の張り替えをするようになったので、先日、勉強の為に実家の襖を張り替えることにしました。


 襖をお預かりする際、一番初めに行うことは現状観察です。


 もしスムーズに動かない所があれば、場合によっては襖の枠を少し削ることもあります。

 そして、そもそもお客様の襖が正しい場所に収まっているかを確認します。それから、襖の住所(襖1枚ごとの位置)を、枠の上部に「右右」「右左」等と書きます。



 ところで襖には実に色々なタイプがあります。その造りや材料によって「本襖」「板襖」「段襖」等の呼び方があります。

芯材は障子のような木の格子になっているもの、1枚の板になっているもの、段ボールでできているもの等があります。

押入れの襖は、裏が板が出ているもの、雲花紙という紺色っぽい紙が貼ってあるもの等があります。


 張り替える手順としては、先ず周囲の枠を外すものと、枠が外れないものがあります。襖紙の剥がし方も、張り替えたことがある襖と初めて張り替える襖で違うことがあります。


 そこで、お客様の襖をお預かりしたら、まずじっくりと観察し、その造りなどを見極め、どういう手順で張り替えるかを考えます。

 

 我が実家の襖は枠を外すタイプでした。ところが、今まで外したことがある枠の構造と違っていた為、もう少しで破壊してしまうところでした。face07

 表面の襖紙を剥がすと、下にもう1枚、違う紙や布が所々貼られて補修されている襖紙が出てきました。

 その襖紙も剥がすと、いわゆる「下地」の紙が出てきました。下地の紙はほとんどが新聞紙でできていました。日付を見るとなんと!face08
「昭和5年1月8日 静岡民友新聞」
と書いてあります!
昭和5年民友新聞




 墨で習字の練習をしてある新聞や葉書きも出てきました。葉書きの宛名は私の父の名前でしたが、住所が現在の番地と少し違いました。

「この習字の練習をしたのは誰だろう?伯父さんかな?」

「襖は誰が張り替えたのかな?」

と想像を膨らませながら。

 私は子どもの頃、母が障子を張替える手伝いをしたことがあります。更に昔は襖も自分で張り替えていたのでしょうか。職人さんがこのようなありあわせの紙や葉書きや布を使っていたとはちょっと考えにくいです。

 下地の新聞紙まで穴が開いている所が何カ所かあったので、そのような所は桟だけにして、雲花紙を貼って補修しました。
雲花紙で補修




(続く)




畳を通してお客様に感動とやすらぎをお届けします。
障子、襖、網戸の張替えも始めました。

株式会社 新海畳店

〒422-8033
 静岡市駿河区登呂一丁目17-2

TEL 054-285-3509
FAX 054-283-2047
 


 

  


Posted by 畳屋の姉さん at 14:49Comments(0)襖・障子・網戸

2020年05月08日

襖の張替えのクオリティーが上がりました

こんにちは。

襖の張替えのクオリティーが上がった静岡の畳屋の姉さんです。


 時間(日数)制限、人材、環境・・・人は追い込まれると知恵が出てくるものですね。

 そして、毎日毎日緊張感をもってやり続けるとクオリティーが上がります。

 始めのうちは、張り替えた襖が翌日になったら角に皺が出ていてやり直し、ということが数枚ありましたが、やり続けるうちにそのようなことが殆ど無くなりました。

 糊の濃さ(加える水の量)や練り方、塗り方も、毎日数をこなしていくうちに適切な頃合いがわかってきました。


 襖の張替えは、古い襖紙を剥がして本体を綺麗にしたら、「茶チリ紙」という薄い紙を下張りします。
 
 茶チリ紙は周辺1cmしか糊を付けません。そこで、サイズが同じ茶チリ紙数枚をこのように↓1cmずつずらして置いて糊を刷毛で塗ります。そうすると2枚目以降は2辺だけに糊を塗ればいいのです。
ずらして糊付け



 茶チリ紙を貼ったら1日ゆっくり乾かします。貼った日よりも乾燥して紙が縮むのでピンとなっています。

 茶チリ紙を貼った襖を乾燥させている間に、次に貼る襖紙を襖のサイズに合わせて切って準備をしておきます。同じサイズの襖が数枚ある場合は、数枚の襖紙をキッチリ重ねて、1アクションで数枚同時に切ります。

 糊は、外側約1cmに塗る濃いめの外糊と、その内側全面に塗る水のようにシャビシャビした中糊の2種類を用意します。
中糊と外糊


 新海畳店では、外糊担当者と中糊担当者を決め、綺麗にした作業台に伏せて置いた襖紙に二人がかりで糊を塗り、そこに下張りした襖を置いて
「せーのっ!」
でひっくり返してブラシをかけて襖紙の下の空気を抜き、外糊が付いた部分をしっかりと本体に抑え付けます。

 糊をどこから塗り始めるか、作業台をどちら回りで回るか、2人でやるのと3人でやるのとどちらが効率的か・・・。ここでも試行錯誤を繰り返して最善の方法が定まってきました。

 今まで畳の製造しかしてこなかった社員も、襖の張替えがある程度できるようになりました。

 株式会社新海畳店は、今後納期が短い大量な襖の張替えの仕事が来ても、自信をもって対応できますemoji02face01

 

 
 
  


Posted by 畳屋の姉さん at 16:22Comments(0)襖・障子・網戸

2020年05月06日

効率よく綺麗に仕上げるには?

こんにちは。

連休中も出社してパソコンに向かう静岡の畳屋の姉さんです。


 まず行うことはメールのチェックです。沢山の迷惑メールを含むメールを慎重にチェックしていくと、ありました!ホームページからのお問い合わせメールが。ホームページをリニューアルしてからボチボチ来るようになりました。


 さて、大量の、しかも納期がシビアな襖替えをいかに効率よく綺麗に進めるか。

 前回のブログでは、弊社独自のルールを作ったことを書きました。

 それ以外にどんなことをしたかというと・・・。

その1=道具の購入

・刷毛を2種類買い足しました。特にこの「中糊用」の大きな刷毛は優れものでした。使い心地が今まで使っていた刷毛と全然違います。一度に多くの水分を含むため、糊の継ぎ足しの回数が少なくて済み、幅も広いので一回のストロークで広い面積の糊が塗れます。
大きい刷毛


・取っ手の釘抜きを2種類購入しました。今までは「縁敷き」(裁縫用具の「目打ち」のようなもの)とバールとペンチで釘を抜いていましたが、これで楽に早く抜けることが増えました。
釘はずし



その2=作業環境の改善
・車庫の車を移動し、作業台を2台直角に配置し、トラックの荷台を切った襖紙と襖置き場にしました。糊を使い始めたら、車庫には風と埃が入らないように締め切って作業を行いました。

その3=ストッパーの装着
・万力と巨大クリップでアクリル定規を固定し、枠を外す作業をやりやすくしました。
手作りストッパー



その4=作業ベルトを装着し、道具は常に身に付けました。

 「塵も積もれば山となる」
 少しの工夫と改善でも積もればかなりの時間短縮になります。そして、道具は拘るべきと痛感しました。

(続く)  


Posted by 畳屋の姉さん at 17:28Comments(0)襖・障子・網戸

2020年04月28日

沢山の襖が「来た~」(織田裕二の物真似の山本高広風に)

こんにちは。

ようやく残業から解放された静岡の畳屋の姉さんです。


 4月は残業と休日出勤の嵐でした。なぜならば、2年くらい前からぼちぼち襖・障子・網戸の張替えを始めた株式会社新海畳店に、未だかつて経験したことのない程、短期間で大量の襖の張替えの仕事が入っていたからです。

 襖の張り替え作業は、その襖の造りによって周囲の枠を外すものと外さないものがあります。今回の張替えは枠を外すタイプでした。

 襖は畳程シビアではありませんが、部屋や場所によってサイズが異なります。なので、外した枠は襖紙を張り替えた後は必ず元の襖に取り付けなければなりません。

 そこで弊社独自のルールを幾つか作りました。

ルール1=枠を外す時には天(襖の上部)を東に向け、表を上にして作業台に平置きする。
ルール2=枠を外す前にマスキングテープを1本1本の枠に貼って「上」「下」「左」「右」を明記する。
ルール3=外した釘は決めた箱の中へ。枠は丁寧に拭き上げる。
ルール4=外した枠は襖1枚ごと畳の縁で縛る。その時、上の枠に書いてある襖の住所(場所を表す「82北右右」等の表記)が見えるように縛る。
ルール5=畳の縁の色は1戸1戸変えて、1戸ごと段ボール箱に立てる。
ルール6=外した取っ手は釘とセットにして養生テープで留める。養生テープに襖の住所を書き、一戸ごとに箱に入れる。

 襖の枠と取手をひたすら外して拭いたら、次は襖紙を剥がす作業にかかります。

 襖・障子・網戸部長の長男と副部長の私新海祥代は、工程ごとに常に時間を測っていました。襖の枠を外すのに何分かかったか、襖紙を剥がすのに何分かかったかというように。
 そして、一人で作業を行うのと、二人一組で作業をするのとどちらが早く綺麗にできるか、作業台の向きや道具の置き場は・・・?試行錯誤をし、ルールを作り、それを社員に伝達して教育しながら作業を行うようにしました。

 また、長男と私は、長期的な作業の見通しを立てる為に先行して1枚の襖の張替えを最後まで完成させました。

 襖は新しい紙に張り替えたら、じっくり時間をかけて乾燥させた方が綺麗に仕上がります。急激に乾燥すると、反ったり皺が出たりします。

 その結果、4月初旬に長男と私が立てた見通しは・・・毎日残業をし、毎週休日出勤をしないと納期に間に合わないemoji02face08でした。

 そして腰痛と戦いながら怒涛の一か月が始まったのでした。

(続く)

 

   


Posted by 畳屋の姉さん at 11:18Comments(0)襖・障子・網戸