2021年09月24日

伊豆文邸には私の好きな〇〇が!

こんにちは。


古民家と温泉と顔ハメが好きな静岡の畳屋の姉さんです。



 今日は9月24日ですが、今から書くことは7月22日の出来事です。もう2ケ月以上も経ってしまったのか~。

 丁度東京オリンピックが始まった頃で、変則的な四連休の初日でした。その頃は、静岡県民が静岡県内に旅行すると、宿泊費1万円につき5,000円の補助が出るという制度がありましたので、それを利用して主人と二人で大好きな西伊豆に行ってきたというわけです。

 始めに「伊豆文邸」に行きました。

 母屋も土蔵二棟も、美しいなまこ壁です!

 この建物は明治43年の建築で、かつては呉服商が営まれていたそうです。多分、広くて長い土間に面した小上がりの畳に着物や反物が広げられ、お客様がその小上がりにちょこんと腰をかけて反物を見て商談したのではないでしょうか。

 土間の隅には珍しい「水琴壷(すいきんこ)」が置いてありました。高さ1mくらいの変わった形の壺で、「水琴窟」と同じ原理で滴る水の音が綺麗に響くそうです。

 伊豆文邸のすぐ横には、足湯顔ハメがありました。どちらも私の大好物です。face02

 訪れたのが夕方だった為か、それともコロナウイルスの蔓延防止の為か(この頃はまだ緊急事態宣言は出ていませんでしたが)お客さんが私と主人だけで、周辺もひっそりとしていました。
 緊急事態宣言が解除されたら、再び松崎町に活気が戻るといいなと思いました。
 
なまこ壁の顔ハメ





畳を通してお客様に感動とやすらぎをお届けします。
障子、襖、網戸の張替えも始めました。

株式会社 新海畳店

〒422-8033
 静岡市駿河区登呂一丁目17-2

TEL 054-285-3509
FAX 054-283-2047  


Posted by 畳屋の姉さん at 10:39Comments(0)休日古民家西伊豆

2021年09月02日

静岡にある琉球畳表の碑

こんにちは。


前回のブログの投稿日を見て驚いている静岡の畳屋の姉さんです。



 私は普段スマホからインスタグラムやTwitter、facebookに投稿することが多いのですが、しっかり調査し、考察して書きたいことは、デスクトップのパソコンからじっくりと時間をかけてブログに書きます。
 
 株式会社新海畳店は7月決算。プラス残暑お見舞いを800枚程書いていたら、前回のブログ投稿が何と7月15日じゃあありませんか!face08もう9月ですよ!!face08

 というわけでかなり時差ネタではありますが、7月22~23日、西伊豆の松崎町に行ってきたときのことを書きます。



 新海家は子供達が幼い頃から、ほぼ毎年海水浴の為に松崎町に出かけていました。
 
 しかし、最近主人と二人で出かけることが多くなり、何度も出かけた松崎町の中でも「なぜ一今まで度も行ったことが無かったのだろう???」
という所を狙って行くようになりました。

 その中の一つ、新海家がよく行く「さくら」というお食事処のすぐ近く、長八美術館の隣の隣くらいに「伊那下神社」という神社がありました。今まで気にとめなかった神社に足が向くようになったのは、御朱印集めを始めたおかげです。

 神社の駐車場の近くに湧水が豊富に流出している所があり、「神明水」という看板と、お水をいただくときの作法が書いてありました。空のペットボトルを沢山持ってお水をくみに来ている人もいました。

 私達もお水をいただきました。とても冷たくて美味しかったです。今度は空き容器を沢山用意しようと思いました。


 さて、御朱印はどこでいただけるかなと境内をうろついていると、丁度私と同じ目的で神社に来た女性が、神主さんと一緒に資料館に入っていくのが見えましたので、私も一緒に御朱印をお願いしました。

 御朱印を待っている間、資料館を拝見しました。松崎町の歴史を中心とした大変充実した見ごたえのある資料館でした。

 そして何といっても私達畳屋が無視できない、大変興味深いものが展示されていましたemoji02それは琉球畳表と琉球畳を織る道具である「筬(おさ)」と「琉球音頭」の歌詞です。

 昔、松崎町が畳表の産地だったということは、国指定文化財「岩科学校」に畳表の織機が展示されていることから知っていましたが、伊那下神社にもこんなにその足跡が展示されていたとは全く知りませんでした。



 ところで、ただの縁無し畳のことを「琉球畳」と呼ぶ方がいらっしゃいますが、本来琉球畳とは琉球表が縫い付けられた畳のことを言います。
 
 多分昭和初期くらいまでは縁無しの琉球畳は庶民の象徴でしたが、現在は琉球表用の「七島藺」を育てて琉球表を織っているのは、日本全国を探しても大分県で5件のみ。琉球表は大変貴重な高級品になってしまいました。
 たまに古民家でかなり傷んだ琉球畳を見ることがあります。表替えをしてほしい、でも元と同じ琉球畳にするにはとてもお金がかかってしまう、というジレンマに陥ります。

 そんな大変貴重な琉球表が、ここ静岡県の松崎町で盛んに生産されていたなんて!途絶えてしまったことが残念だし、誰かここで琉球畳表の生産を再開してくれないかな~なんて思ったりもします。

 神主さんが、境内に「琉球畳表の碑」があること、昔は毎年琉球畳表祭が行われていたことなどを教えてくださいました。

(続く)
 
 


 
  


Posted by 畳屋の姉さん at 15:22Comments(0)静岡の話題旅行休日い草古民家西伊豆

2021年07月15日

ポツンと一軒家の黄色い茶畑

こんにちは。


念願の「ポツンと一軒家」に行ってきた静岡の畳屋の姉さんです。



 またまた時差ネタです。

 あれは確か昨年のこと?テレビ番組で人気の「ポツンと一軒家」「ビフォーアフター」の合同企画のような特別番組が放送されました。山の中のポツンと一軒家をリフォームするという内容です。
 
 その現場は静岡市葵区諸子沢。工務店の下請け仕事でしたが、なんとそのお宅の畳を弊社が担当させていただくことになりましたemoji02

 私はその放送を観た時からずっとそこに行きたいと思っていました。

 弊社が作った畳のお部屋も見たいし、現場に行くまでのスリル満点な山道も、現場の周辺の茶畑が「黄金みどり」という黄色い茶葉なこともとても気になっていたのです。

 そのお宅はリフォーム後、「黄金の茶の間」という名前でお茶を提供する場所になっていました。

 お茶をいただくには予約が必要です。そして、茶畑に黄色い新芽がある時期は6月が限界?です。

 ということで、5月にネットで予約を試みました。自分が行ける日で空席があったのは6月19日のみでした。

 ところが、前日の6月18日からかなりの雨。face07
「明日も雨のようですが、予約はどうしますか?」
と確認の電話がありましたが、どうしても行きたかったので
「私は雨でも構いません!」
と伝えました。

 翌日はやはり雨でしたが、これが残念なことではなく、とてもラッキーなことだったのですemoji02face02

 というのは、通常ならば半日で4組の予約をとっているそうですが、この日の午前中は他の予約客は雨の為キャンセルしたそうです。

 それで、通常ならば「黄金の茶の間」の1キロ程下の方にある駐車場からスリルある細い山道を20~30分かけて歩いて行かなければならないのですが、この日の客は主人と私だけでしたので、家主の佐藤さんが軽トラックで上まで連れて行ってくださることになりましたemoji01face03
 お陰様で道中も「黄金の茶の間」に着いてからも、佐藤さんと沢山お話ができました。face05

 茶畑の黄色い茶葉は見事でした。face08
黄色い茶畑


 きっと晴天の時も素晴らしい眺めなのでしょうが、雨天でもやっとしている景色も素敵です。

 佐藤さんが薪をくべて足湯の支度をしてくださいました。黄色い茶畑を眺めながらの足湯は格別でした。

 縁側でお茶を4種類いただきました。

 ハンモックも体験しました。

 二階にも上がってみました。

 そして弊社謹製の畳。囲炉裏のあるお部屋です。
諸子沢畳の間



 とても寛げるところでした。

 また行きます。



畳を通してお客様に感動とやすらぎをお届けします。
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Posted by 畳屋の姉さん at 15:24Comments(0)静岡の話題休日古民家

2021年07月07日

見所いっぱいの旧依田邸

こんにちは。


温泉と古民家が大好きな静岡の畳屋の姉さんです。



 前回の続きです。

 立ち寄りの湯「依田の庄」からは、一旦外に出ることなく「旧依田邸」に移動することができます。途中に中庭となまこ壁の蔵などがありました。
中庭となまこ壁の蔵



 「旧依田邸」は、今から300年前に建てられた母屋と、200年前に建てられた離れ、幕末に建てられた蔵3棟の併せて5棟が、平成22年に静岡県の文化財に指定されました。

 中庭の池のほとりにイ草が生えていました!そういえば昔は松崎町はイ草の産地だったようです。近くの「岩科学校」の資料館に、畳表の織機が展示されていたのを見た覚えがあります。

 階段の下が引き出しになっている!古民家でよく見るやつですね。

 引き出し兼階段を上って2階に上がると、えんじ色の紋縁の畳の和室になっていました。襖もモダンな柄に張り替えられていて、お庭がよく見える居心地のいいお部屋でした。

 更に母屋の入口の方に向かって行くと、やはり紋縁のお部屋が幾つもありました。紋縁の畳はお寺やお城ではよく見ますがこういう所で観ることはあまりありません。高級感がありますね。

 でもちょっと驚いたことがあります。紋縁の紋の模様はは畳の端で切れてはいけないと思っていました。しかしここの紋縁はあえて(わざと?)紋模様の中央で切って、隣の畳と合わせて円形になるように作っています。畳の壁側の辺(「下前」といいます)の紋縁は畳の端から端まで紋で始まって紋で終わっているのに、お部屋の中央側の畳の辺(「上前」と言います)は紋が中央で切れているなんて・・・。
紋が半分の紋縁


こういうやり方もあるのですね。

 そしてこのお部屋の襖は真ん中に障子がはまっている襖でした。私はこのような襖を初めて観ました。

 (どうやって張り替えるのかな・・・。大変そうだな・・・。)

 あ~、気が付けば畳と建具ばかり見てしまっています。職業病です。

 ここのお部屋は何年か前までは宿泊施設として機能していたそうです。

 母屋の入口は広い土間になっていました。小上がりに囲炉裏がありました。そして黒光りした太い大黒柱。上を見上げると同じく黒光りした太い梁!古民家の好きなポイントです。

 そして、今は残っていませんが、大沢温泉「依田の庄」の駐車場に明治時代には木造3階建ての製糸工場があったとか。観たかったな~。

 旧依田邸は見学無料です。館長さんともゆっくりお話ができてよかったです。

(続く)
 

 



畳を通してお客様に感動とやすらぎをお届けします。
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Posted by 畳屋の姉さん at 17:24Comments(0)住宅静岡の話題休日古民家西伊豆

2021年07月02日

大好きな西伊豆へ行ってきました

こんにちは。


毎年1回は西伊豆に出かけている静岡の畳屋の姉さんです。



 かなり時差ネタになってしまいましたが、5月15~16日、西伊豆に一泊旅行に行ってきました。

 思えば今まで西伊豆に出かけていたのは8月の夏休みが8割、お正月休みが2割くらいだったでしょうか。この時期に西伊豆に出かけたことはほとんどありませんでした。
 そこで今回は、幾つか行ったことのない所に行き、体験したことのないことを体験しました。


 15日は堂ヶ島でトンボロ現象(干潮時に島まで歩いて行ける)と、洞窟巡り遊覧船を楽しみました。

 トンボロ現象で現れた道は、石ころだらけで濡れている所もあるので、水陸両用の靴に履き替えてよかったです。やどかり、イソギンチャク、エビ、カニ、ハゼの仲間等が沢山いました。
堂ヶ島のトンボロ




 洞窟巡りの遊覧船は、主人は初体験、私は二度目でした。何度乗っても面白いです。

  
 宿泊先は土肥にしました。大きな花時計、手湯と足湯等、散策するにはいい所です。今回、和歌山牧水さんの像を見つけました。牧水さんも土肥がお気に入りだったのですね。
 

 16日は松崎町に行きました。目的地は「大沢温泉 依田の庄」です。
 
 こちらのことはある方のfacebookの投稿で知りました。どうやら県指定有形文化財旧依田邸の一部が日帰り温泉に改装されたようです。

 古民家好きで温泉好きの私がここに行かないわけにはいきません!

 温泉施設は令和2年に改装されたばかりだそうで、とても綺麗でした。入浴者の休憩室として和室が一室解放されていたので早速利用させていただきました。中庭が見えて寛げるお部屋でした。

 温泉施設の奥の方には旧依田邸があり、無料で見学ができるので行ってみました。

 ところで依田さんってどんな方だったのでしょう?パンフレットをもとに簡単に説明します。

 依田家はそもそも武田信玄の家臣といわれ、武田家滅亡に際し伊豆に逃れ、大沢の地に居を構えました。江戸時代には庄屋として村民の生活を支えました。
 19歳で11代当主になった依田佐二平は、弟、妹を養育しながら邸内に私塾大沢学舎を開き、近隣の子弟を教育しました。
 また、維新政府の殖産興業政策を受け、伊豆で最初の製糸工場を建て、農家の豊かな現金収入の道を開きました。
 更に奥伊豆に通じる天城峠を開通させたり、高等教育の場として私立豆陽中学(現県立下田高等学校)を創立しました。
 弟の依田勉三は、慶應義塾で福沢諭吉とも交わり、北海道十勝平野の開拓を志し、十勝では「開拓の祖」として帯広市民の尊崇の念を集めているそうです。


 なんだか大河ドラマを観ているようですね。渋沢栄一もそうですが、幕末~明治にはとてもエネルギッシュに世の中を変えていこうという人達がいたのですね。

 次回は300年前に建てられた旧依田邸の母屋について書きます。


 
  


Posted by 畳屋の姉さん at 17:29Comments(0)静岡の話題旅行休日温泉古民家西伊豆