2017年11月01日
龍髭表がピンチ!(後編)
こんにちは。
龍髭表に対して勉強不足を痛感した静岡の畳屋の姉さんです。
下の画像は京都迎賓館の「桐の間」の床の間です。↓龍髭表が使われています。

龍髭表の魅力は、何と言ってもこの美しい黄金色です。
なぜこんなに美しい黄金色なのでしょう?い草を天日干ししてから畳表に織るということは知っていましたが、それが具体的にどんな作業なのか、広島県の龍髭表の生産者さんのFacebookを見て、わからないところは直接質問してお勉強させていただきました。以下掲載させていただく画像は、生産者さんがFacebookに投稿されたものです。

い草を天日干ししていますね。上の画像のい草はまだ緑色ですが、下の画像のい草は黄色っぽくなってきています。

青空と黄色いイ草とのコントラストが綺麗ですね。

しかし、このような晴天が何日も続くとは限りません。実際、先々週あたりから台風が2回日本列島に上陸しています。そのような時には雨が降り出す前にこの広げたイ草をとりこまなければなりません。

最終的に、い草を何日間干すのか、何回ひっくり返すのか、生産者さんにお尋ねしました。
夏場は2週間~3か月、冬場は40日~1年越しになることもあるそうです。そして干す回数はなんと7~8回



風が強い日は飛ばされないように対策もします。

イ草を干すだけではありません。大きな水槽に一束ずつイ草を入れて、ジャブジャブと何度も水洗いもします。
このような作業の繰り返しのおかげか、龍髭表はカビが生えにくいです。(私は龍髭表にカビが生えているところを観たことがありません。)
い草が美しい黄金色になったら、このように↓織っていきます。


この美しい龍髭表の生産者さんがたったの4件だなんて・・・。安部さん、早急に政府でこの4件を保護して龍髭表の消滅を食い止めてください

和室も畳も減っている現在、それ以上に床の間は減少が進んでいるのでしょう。明治村で観た坐漁荘の脱衣所のように、床の間以外でも龍髭表を使わないと・・・。